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ロコモティブシンドローム
って何?

「メタボリックシンドローム」ならぬ「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という聞きなれない言葉を耳にするようになりました。骨や筋肉、関節など運動器の働きが衰え、生活の自立度が低くなり、要介護の状態や要介護となる危険の高い状態のことをさします。痛みを感じた時に治療をするだけでなく、日常的な筋力トレーニングなどで健康な状態を保ち、介護予防につなげる取り組みが始まっています。 

厚生労働省によると、介護保険制度が導入された2000年度、要介護(要支援)認定者数は256万人だったが、07年度は453万人と2倍近くに増えています。

 国民生活基礎調査(07年)によると、介護が必要になった理由は、脳卒中(23・3%)、認知症(14%)が上位を占めるが、四位の関節疾患(12・2%)と五位の骨折・転倒(9・4%)を合わせると、5人に1人は運動器の障害が原因になっている計算です。

 原因は、加齢による筋力やバランス能力の低下が考えられます。介護が必要となる運動器の障害には、関節の軟骨がすり減って痛む「変形性ひざ関節症や腰椎(ようつい)症」、骨量の減少で骨が弱くなり骨折しやすくなる「骨粗鬆(そしょう)症」、背骨の内部の神経が圧迫されて足腰のしびれや痛みが出る「脊柱(せきちゅう)管狭窄(きょうさく)症」などがあります。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。それが、介護予防にもつながります。

 東京大(東京都文京区)が、運動器の障害の原因疾患やその有病率を調べるために、〇五年から都市、農村、漁村の住民約三千人を対象に行った調査から推計すると、変形性ひざ関節症、変形性腰椎症、骨粗鬆症のいずれか一つでも当てはまる人は四十歳以上だと、全国で四千七百万人に上ることが分かりました。

 国立長寿医療センター(愛知県大府市)が、周辺の一般住民二千四百十九人を対象に、変形性ひざ関節症について、ひざ痛の有無、エックス線撮影で変形の有無を調べた結果、男女ともに高齢になると、ひざ関節の変形がみられ、七十代の女性で七割、男性で六割に達することが分かっています。男性より女性の方が痛みを感じている。

「変形があっても自覚症状がない人も多く。放置して悪化させないよう、日ごろから運動など予防を心掛けることが大切です。

骨の弱りには現代日本人に不足いやすいカルシウムの摂取も
適度な運動と併せて大切です。骨骨ためようカルシウム



厚労省が発表している「平均余命」によると、現在65歳(女性)の人の余命はあと23.5年、75歳(同)は15.16年と非常に長い(男性は65歳で18.5年75歳で11.4年)となります。

運動器障害が現れやすくなる50歳頃から自分の運動器について、それなりに手入れをする事が発症を抑制、遅らせる事につながります。いつまでも自分の身の回りの事が自分で出来る幸せ、元気で楽しく社会生活に参加出来るよう生涯現役を目指したいものです。

くらしとからだより
要介護になる人の20〜25lが

運動器に障害のある人、すでに要介護の人には医師の対処が必要ですが、将来要介護になる人の20〜25lはロコモティブシンドロームが原因なんだということに気がついてもらう事が大切です。

日本整形外科科学協会では、09年春、簡単な「ロコモティブシンドローム」の「自己チェック項目」を公表しました。
七つの項目があげられていますが、一つでも当てはまるとロコモティブシンドロームの可能性があると言われます。

1:片足立ちで靴下がはけない。
2:家の中でつまづいたり滑ったりする。
3:15分位続けて歩けない。
4:横断歩道を青信号で渡りきれない。
5;階段を上るのに手すりが必要である。
6:2kg位の買い物をしても持ち帰れない。
7:布団の上げ下ろしなど重めの家事が出来なくなった。
ーなどです。

ロコモティブシンドロームにならないための簡単なトレーニング(ロコトレ)も公表しています。

運動器の状態は個人差があるので無理はしないこと。物足りないなら、体重負荷の少ない水中歩行なども良いといわれます。「筋力を鍛えればひざ痛などの痛みは和らぐ事が多い。やりすぎは禁物ですが、安静にしているとかえって筋力が低下するので注意が必要です。

(開眼片脚立ち)
転倒しないように机などにつかまる物があるところで、床に着かない程度に片脚を上げる。左右1分間づつ、1日3回行う。支えが必要な人は医師と相談して机に指をついたり、手を突いて行います。
(スクワット)
椅子に腰をかけるように、お尻をゆっくり下ろす。つま先を外向きに開いて腰ははつま先のに向きに広げ、つま先より前に出ないようにします。これを深呼吸するペースで5〜6回繰り返し1日3回以上行います。支えが必要な人は医師と相談して机などに手をついてします。

出典資料:厚生労働省調査・東京大学調査・国立長寿医療センター調査・日本整形外科科学協会ロコモ発表
・株式会社テーミス くらしとからだ No63より抜粋


思わぬ病気や怪我で寝たきりに進まないよう貯筋運動、身体教養のすすめ

トレーニングに際しては持病等のある人、医師から運動制限を受けている人、支えが必要な人は掛かり付け医師にご相談下さい。