日本人の役3500万人が高血圧 自覚症状はないが要注意
「血圧が高いほかに、別にどこも悪いところがなくてね」という方がときどきいらしゃいます。しかし、高血圧は自覚症
状がほとんどないとはいえ、生活習慣病の一つで注意が必要な病気なのです。ぜひ適切な予防を。
■約3分の1が高血圧。30,40代も増えています
高血圧とは「最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上」のどちらかに該当する場合をいいます※1。日本における高血圧の人口は約3,500万人といわれており、約3分の1の人が該当することになります。
年齢とともに高血圧の人口はふえ、60歳以上の男性では80%を超えるという結果が出ています※2。見逃せないのが30代、40代でもふえていること。高血圧の原因として老化、ストレスがありますが、働き盛りの30代、40代はやはりストレスが多いのでしょうか。
※1WHOの基準※2厚生労働省「第五次疾患器基礎調査」
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■ピール中びん一本が限度
飲酒は血圧が高くなる原因の一つです。これは、過度のアルコールにより血管が収縮するからです。しかし、適度のアル
コール摂取には虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の予防効果があるといわれています。だからといって飲酒を勧めるものではありません。
個人差がありますが、高血圧にならないためには平日はビール中びん一本、ワインなら200m1程度が妥当、といわれています※。おまけ(?)は週末2本ぐらいだそうですが、お酒好きのアナタは辛い!?
※国立健康・栄養研究所 |
■滅量、運動で血圧を下げる
体重1kgを滅量すると最高血圧は1〜2mmHg程度低下するといわれています。とはいえ、血圧を下げるために過度の滅量は問題があります。
医師との相談が必要になります。プールの中での運動は、陸上よりひざや心臓への負担が少ないために歓迎されていますが、高齢者の方はご注意を。水中で運動した場合の血圧は、20代、30代では陸上と同じかそれより低いのですが、50代半ぱ以上になると水中の方が血圧が高くなる傾向があります。老化で血管が硬くなっていることが関係しているといわれています。適度なダイエット、運動が大切です。
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『血圧を下げる」のではなく『血圧を安定させる」漢方薬
漢方では、高血圧はストレスや老化などの原因によって、体のバランスが崩れ心臓・血管に負担がかかって起こる症状と考えています。「血圧を下げる」のではなく「血圧を安定させる」のが漢方薬です。下記に主な症状に適した代表的な漢方薬を紹介しましたので、参考にしてください。
タイプ |
主な症状 |
代表的な漢方 |
ストレス型 |
●頭痛(とくにこめかみ、側頭部の痛み〕
●首・肩のコリめまい ちょうとうさん
●イライラしやすい
●新聞・テレビを見ると疲れる |
釣藤散 |
加齢型 |
■自覚症状があまりない
■年齢とともに血圧が上がった
■疲れやすく顔色がすぐれない
■耳鳴り |
しちもつこうかとう 七物降下湯 |
急迫型 |
▲急な血圧の上昇 {便秘あり〕
▲赤ら顔、のぼせやすい
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さんおうLやしんとう
三黄濾心湯
おうれんげどくとう 黄連解毒湯(便秘なし) |
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必要に応じて以上の点などご参考ください。アドバイスお役に立ちましたでしょうか。
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