冬は「肌あれ」を起こしやすい季節
寒気・乾燥から肌を守る
スキンケアを

監修:吉本 伸子(よしき皮膚科クリニック銀座院長)
冬は寒さと空気の乾燥により、最
も「肌あれ」を起こしやすい季節です。
夏から初秋にかけて受けた紫外線の
影響でしみができるなど、皮膚はかな
り疲れており、うっかりスキンケアを怠
ると肌がカサカサになってしまいます。
うるおいを保つ角質眉
正常な皮膚には滑らかさ、しっとり感、
それに光沢があります。これは、セラミド
をはじめとする角質細胞間脂質や皮
脂の働きで、皮膚のうるおいを守って
くれているからです。
皮膚の最も外側には角質層という
組織があり、表面を覆う皮脂膜や、
角質細胞間脂質(特にセラミド)が、
水分を保持する重要な働きをしてい
ます(図参照)。表皮の組織は、約28
日で生まれ変わるといわれています。
一番下の基底層の細胞が徐々に押
し上げられ、角質層に生まれ変わるま
で約14日間。角質層が垢となっては
がれ落ちるまで、さらに約14日間。角
質層は、内側から押し出されてきた細
胞が15〜20層も積み重なったもので、
スポンジのような角質細胞間脂質など
が角質層の中の水分を約15〜20%
に保っています。うるおいのあるすべ
すべ肌を保つには、角質細胞間脂質
(セラミドなど)や皮脂の働きが欠か
せません。
うるおいを守る主役・セラミド
冬は、空気中の湿度が低下し、肌
の角質層の水分も蒸発します。しかし、
健康な角質層では、水分量を15%
以上に保っています。近年、肌のうる
おいを守るのは、主にセラミドなどの
角質細胞間脂質、といわれています。
なかでもセラミドは重要なもので、水
分が蒸発しないように水の分子をつ
かまえる働きがあります。このような肌
の保湿成分は、間違ったスキンケア
を行うと(刺激の強い洗顔料を使う
など)、失われてしまいます。これが、
乾燥肌を招く要因にもなります。
しっかり洗って、すぐに保湿を
肌の汚れは、雑菌が繁殖したり酸
化した皮脂(過酸化脂質)が残らない
よう、しっかりと落とすことが基本です。
しかし、洗顔の時に何度もこすったり、
タオルでゴシゴシ身体を洗ったりすると、
肌のキメをつぶし、しみ・くすみにつな
がります。
洗顔料や固形せっけんはよく泡並
て、泡で包み込むように洗いましょう。
最後に、ぬるま湯でよくすすぎます。
ただし、洗い流す時には、汚れと一緒
に保湿成分も流出してしまいます。
入浴後、肌が突っ張る部分には、す
ぐに保湿クリームを塗るなどのケアを
しましょう。

「肌あれ」を改書するための
生活習旧へ
肌の水分補給になると信じてペッ
トボトルを手放さない人がいますが水
分を多く摂取すると、かえって身体を
冷やして血行障害になる可能性もあ
りますので、水の飲み過ぎに注意が
必要です。日常的に身体を冷えから
守り、睡眠を十分にとって、全身運動
も心がけましょう。「肌あれ」のケア
には、保湿クリームなどを使った外側
からのケアだけでなく、身体の内側か
らのケアも大切です。バランスのよい
食事をし、肌細胞の生まれ変わりを
助けるビタミンB2・B6・Cなどを摂取
して、内イ則からのケアも心がけましょう。

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