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健康な毎日は胃から始まる!
上手につきあいたい、胃と薬
講師/松井宏夫(まついひろお)医療ジャーナリスト
1951年、富山県生まれ。『週刊サンケイ」記者を経てフリージャーナリストに。
現在、放送作家としても活躍中。著書多数
冑だって規則正しい生活習慣が好き

三度三度の食事が美味しく食べられるのは
とても素晴らしいことです。人はその幸せを、
胃がトラブルを起こしてから初めて知るものです。
では、その胃のトラブルを起こす典型的な人の
タイプを紹介しましょう。朝はコーヒー1杯で家を
飛び出し、時計の針を気にしながら出社。
この不景気に営業活動が不調とあってイラつき、
ムスッとした顔で昼食。うまくいかない仕事の
ウサをはらそうと、居酒屋でチョットー杯の
つもりが…暴飲暴食で午前さま。「飲まなきゃ
いられねエよ」とグチもポロリ。こんなストレス
過多な生活を送っていては、胃だって荒れ
てしまいます。このような人には、それに
対応する薬のほかに、胃腸を守るセルフコン
トロールが大切です。

胃炎などを繰り返す人の原因で多いのは
「喫煙」「精神的過労」「肉体的過労」「不規則な
食事」「睡眠不足」など。中でも「睡眠不足」は
大きな原因の一つになっています。ストレス
解消で最も効果グある睡眠が十分にとれない
のでは、胃に鞭を打っているようなもの。よい
睡眠が得られる環境づくりなども気をつけて
みては、いかがでしょうか。

冑薬?整腸薬?適材適所で使いたいものです

食道、胃、十≡指腸、小腸、大腸はすべて
消化器で、病院では消化器科が対応します。
そのため、一般の方は「胃腸薬」の言葉を
鵜呑みにして、胃の薬も腸の薬も腸の薬も、
同じと考える傾向が強いようです。整腸薬を
消化薬と同じように思い、食べ過ぎたときに
服用しているケースもあります。あたりまえの
事のようですが、まずお客さまがこの点を理解
しているかを確認したいものです。さて、
胃の不調は次の2つに大別できます。第1は、
胃液の分泌が多い。第2は胃液の分泌が少ない
か胃の働きが弱い場合です。第1の場合は、
制酸剤や胃液の分泌を抑える薬が適用で、
第2の場合は消化薬や健胃薬が適用となる
でしょう。これに対し、腸の薬は整腸薬、殺菌・
下痢止め、下剤などです。「胃腸薬が欲しい」と
訴えるお客さま、適切な薬をお選び下さい。

慢性的に冑がもたれる、重いというお客さま
には

よく聞く胃の症状に「胃がもたれる」「胃が重い」
などがあります。主に消化不良が考えられますが、
もし、これらの症状が慢性的に起こり食欲が
ないという場合は、胃下垂、胃アトニーの疑いも
考えられます。胃下垂は胃が垂れさがっている
状態で特に苦痛はありませんが、これに胃の
筋肉の緊張が低下し胃の運動が悪くなる胃
アトニーが加わると症状がでてきます。胃下垂は
お腹の筋肉が弱いためになるケースもありますので、あまり神経質にならずに適度な運動を心掛ける
とよいでしょう。しかし、
めまいなどの症状まであるようなら専門医への
受診をおすすめします。

症状 疑われる原因 胃薬の成分
胃がもたれる 消化不良など 胃腸機能調整剤配合、消化酵素配合
胸やけ、ゲツプ 胃酸過多など 制酸剤配合
食欲不振・膨満感 食べすぎ、胃下垂
、胃アトニーなど
健胃剤配合
食間にキリキリ痛む、
胃が痛い、さしこむ
胃炎など 胃酸分泌抑制剤・鎮痛鎮痙剤・粘膜修復剤1配合
胃がむかつ<、嘔吐 胃粘膜のあれなど 制酸・粘膜保護剤配合
上記の目安は大まかな分け方です。その他体質、既往症、現在使用中の薬等との兼ね合いもございます。
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